2024年3月10日 主日礼拝

イザヤ書41:10-14

國分広士牧師

1.恐れるな。わたしはあなたとともにいる…わたしがあなたの神だから。

  • 恐れを感じる状況が確かにある。現実逃避は勧められていない。
  • 究極的に最も恐ろしいのは「神の裁き」。その時にはもはや誰も何もできない。ただ、救い主イエスのとりなしだけが頼り。
  • その手前に、神の裁きを恐れるための、予兆としての苦しみがある。予兆だけで人間にとっては耐え難い苦痛。イザヤの時代、特にヒゼキヤ王の治世は栄えたが、その時代にイスラエルはアッシリアに滅ぼされ、ユダも絶体絶命の危機を迎えた。平穏な日々は続かない。
  • 私たちも激動の時を迎える。その時に主は「恐れるな」と言われる。
  • なぜか?主が私たちの神だから。その主がともにいてくださるから。

2.あなたと争う者たちは…滅びる。

  • 脅威だったアッシリアは主によって弱められ、やがてバビロンに滅ぼされる。そのバビロンによって、おごり高ぶるユダは滅ぼされ、多くの民は捕囚となる。だが、強大なバビロンも、やがてペルシャに滅ぼされてしまう。ペルシャ王キュロスによって、捕囚の民は帰還を許され、イスラエルは再興する。
  • 今、主の民の敵がどんなに権勢を振るっていても、それは「神の裁き」を学ぶため。主は悪者さえ、災いの日のために造られた。
  • すべてのものを、主はご自分の目的のために造り、
  • 悪しき者さえ、わざわいの日のために造られた。箴言16:4

3.恐れるな。虫けらのヤコブ…わたしがあなたを助ける。

  • 主の民は優れているから救ってもらえるのではない。「虫けら」にすぎないのに、神の憐れみで救っていただくのだ。だから謙虚になって主を信じ、自分の知恵や力に頼らず、主イエスに従おう。

アメリカでの実話
   シャーマン・ジャクソンさんというクリスチャンは、7歳の娘も一緒に教会へ行く途中、ガソリンスタンドに立ち寄りました。しかし、給油を済ませてスタンドから出ようとした矢先、一人の男が車に近づいてきて言いました。「一寸お願いがあるのですが‥‥ 。私の車が置いてある所まで乗せていただけませんか。お金払いますから。」シャーマンは一瞬迷いました。教会に遅れると思ったからです。しかし、目の前の困っている人を助けなければと、自分に言い聞かせて、その男を助手席に乗せ、娘を後部座席に座らせて走りだしました。走り出すと間もなく、男はポケットからピストルを出して、片手でシャーマンの肩を掴み、わき腹に銃を突き当て、「おい、手を上げろ。遊びじゃないぞ。金を全部出せ。撃つぞ」と言ったのです。シャーマンはいまだかつてこれほど驚いたことはなかったのですが、「でも、今は運転中ですから、手を上げることは出来ません」と、ちょっと、なんだか変なことを言ってしまいました。すると男は、「あ、そうか、じゃいいからとにかく金を出せ」と言いました。シャーマンは、娘を一緒に連れて来たことを後悔しました。ポケットに手を入れ、「これで全部だよ。持って行けよ。」と有り金を全部出して言ったのですが、この男は信用せずに、「嘘をつくな。全部出せ!」と、益々強く銃をシャーマンのわき腹に突きつけて叫びました。このシャーマンは、テキサス州ガーランドに住み、保険代理店を営む、ギデオン聖書協会の会員でした。彼は車にいつもギデオンの聖書を積んでいて、各聖書には1ドル紙幣が挟んでありました。それはホームレスの人々にあげるためにそうしてあったのです。銃男は聖書のドル紙幣を見て、シャーマンに向かって大声をあげました。「この大嘘つきめ、ここに金があるじゃないか。」
 その時、突然シャーマンに何かが起こりました。シャーマンは大きな声で祈り出しました。「天の父よ、私の叫びを聞いてください。今、目の前にいる悪魔から救ってください。」不思議なことですが、こう祈っているうちに、彼は思いもしなかった平安を感じるようになったのです。その時、「心配や恐怖の意識はすべて消え去りました。なんだか肝が座つてしまったのです。」と、シャーマンは、後にこの時のことをあかしして言っています。彼は車の速度を落とし、突然Uターンをし始めたのです。「何をしやがる!」と男は叫びました。「車を引き返す。お前の言うことには従わない。」と、シャーマンは答えたのです。男は銃をシャーマンの胸につきつけて、「わからんのか。お前など虫けらさ。引き金を引くぞ!」と脅かしたのですが、今度は、シヤーマンは言い返しました。「お前こそわかっていない。僕にとって世の中で一番大切なものは神様だ。キリストはお前の銃より強い方だ。」銃男が引き金を引こうとするのがシャーマンには分かりました。「カチッ」という音ともに撃鉄が下ろされたのですが、シャーマンはひるみませんでした。  彼は、主がともにいてくださることの平安を強く心に感じていたので、静かに車を脇に寄せ、そして停車しました。「イエス様のことを話そう。」と、彼は銃男に言いいました。  男は、一瞬たじろいだかと思うと銃を下ろし、頭を垂れて、次に顔を上げたときに泣いていました。「済みませんでした。赦してください。本当に殺すつもりだった。」「赦すよ!」とシヤーマンは言ました。そしてイエス様を信じて、新しく生まれ変わるように神に祈り求めるようにと語り聞かせたのです。  また、一緒に教会に行かないかと、奨めたのですが、男はこの近くに置いてある自分の車まで連れていってくれと頼みました。その途中、男は謙虚になっていろいろと話し出し、名前は「マイク」だと名乗り、握手を求めることさえしたのです。
シャーマンは運転しながら、神様を受け入れて新しい人生を始めるようにと言い続けました。車が男の言う店の近くに来たとき、シャーマンは「ところでマイク、僕の金を返してくれよ。」と、強盗になりかかっていた男は弱々しく金を返した。「代わりにこの聖書を持っていってくれ。これまで経験したことのないほどこれを読むようになるよ。マイク、君のために祈っているよ。神様が君の人生に介入してくださるようにとね。」  シャーマンが車を男の車の横に着けると、男は出て行きました。 「男は片手に銃を持ち、もう一方に聖書を持ち、目には涙を溜めていた。」とシャーマンは語っていました。そしてシャーマンは教会へと向かったのです。ちょっと遅刻してしまったのですが。
               (「The Gideon」2002年1月号より)