2023年5月7日 主日礼拝

イザヤ書 7章4節, ヨハネの福音書 14章1節
國分広士牧師

1.心が騒いでいた状況

  • 1:1に、預言者イザヤの活動時期が、南王国ユダの王ウジヤ、その子ヨタム、その子アハズ、その子ヒゼキヤの時代であったと記されていたが、7章の時代は、3番目のアハズ王の時代のこと。当時、隣国の北王国イスラエルと、さらにその北に位置する国のアラムとが同盟を結び、ユダに攻め込んで来た。しかし7:1では「攻めきれなかった」とあり、戦況は膠着状況だった。
  • 2節には、王も民も非常に不安に陥っていたと記されている。相手が二国では、軍事力で劣っていることは明白だから。こうした心が騒ぐ時、人は愚かな行動をしやすい。そこで主は、預言者イザヤをアハズ王のところに遣わし、励ましのことばを与えたのである。

2.主からの励ましのことば

  • 主は「気を確かに持ち、落ち着いていなさい」と言われた。アハズの心が動揺していることを、本人に自覚させようとしているのである。
  • 人間には「できることと、できないこと」がある。できることは何でもやろうとするのは積極的だが、「するべきことと、するべきでない」こともある。焦って、するべきでないことをしてしまえば、取り返しがつかなくなる。「できるけれどもしない」ことが正解の場合も多い。しかし「時を逸した」と後悔することもある。気を確かに持たないと、どの判断が適切なのかわからなくなる。
  • 危機的状況で心が騒ぐアハズ王の励ますために、主は11節で「あなたの神、主に、しるしを求めよ」と語ってくださった。ところがアハズは「私は求めません、主を試みません」と申命記6:16「あなたがたの神である主を試みてはならない。」を盾に反論する。聖書の言葉を知っていても、不適切な引用はかえって混乱を招く。
  • アハズはわからずやだったが、イザヤはそれでも主からのしるしが与えられるとことを告げる。これが有名な主イエスの処女降誕の預言。この時代より700年後のことになる。
  • この時代の事柄として、アッシリア帝国のことも預言される。20節には主がアッシリアの王を使うとも記されている。列王記二16:5-9には、アハズがアッシリヤに貢物を献上して援軍を要請したので、アッシリヤがアラムの首都ダマスコを攻撃し、アラム王レツィンを殺したことが記されている。アッシリアの介入によって、ユダへの軍事侵攻は終わったのである。

3.神と救い主を信じ平安をいただこう

  • 歴史の出来事だけを見ると、時の流れには逆らえないという気分になる。しかし、主イエスは「あなたがたは心を騒がせてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。」と言われた。歴史を動かしている主がおられることを忘れてはならない。
  • 心が騒ぐ時、心が落ち着かないまま決断するのではなく、主に心を向けよう。
  • 特に大切な決断をする前には、主を信じ、平安をいただいた上で、決断したい。