2021年11月21日 主日礼拝

詩篇 57篇
國分広士牧師

1.サウルから逃れて洞窟にいたときの詩

  • 表題から、この詩を作った時のダビデの状況がわかる。王サウルにねたまれ命を狙われ、ダビデは逃げていた。洞窟に隠れていたときに、用を足しに入ってきたサウルに手を下さず、忠信を示した逸話を思い起こす。その時、ダビデはどのような思いでいたのかが、よく示されている詩篇。

2.御翼の陰に身を避ける

私をあわれんでください。神よ。私をあわれんでください。(1)

  • 鳥のひなが、親鳥に保護されるイメージ。ひなは大きく口を開け、親鳥が餌を口に入れてくれるのを待ち望むだけの存在。嵐の時には、親鳥がひなをおおい、自分の身で守る。ダビデは自分と主の関係を、ひなと親鳥に当てはめた。
  • 自分はひなに過ぎない。自力で空を飛べない。嵐にも立ち向かえない。守り恵んでもらわなければ、たちまち滅びると考えていた。ひなにできる最善は、親鳥に大きく口を開け、哀れみを乞うだけ。主に祈り願う自分の姿をそこに見ていた。
     私のたましいは 獅子たちの間で
     人の子らを貪り食う者の間で 横たわっています。(4)
  • 自分はそこまで落ちぶれてはいない、哀れみを乞うぐらいなら死んだ方がましと思うなら、御翼の陰に身を避けはしない。また、神が、私のためにすべてを成し遂げてくださる神(2)だと思わなければ、頼る気にもなれない。神理解と自己理解の深さが、御翼の陰に身を避けます(1)という姿勢につながる。

3.問題はどのように過ぎ去るのか

神は天から助けを送って私を救い(3)
彼らは私の前に穴を掘り 自分でその中に落ちました。(6)

  • ダビデは自分でサウルに逆襲することはしなかった。逆襲のチャンスがあった時にも、主に油を注がれた王だからと部下を制した。サウルが倒れるかどうかは、主が決めると考え、主に委ねた。そして、事実そのようになっていく。洞窟に逃れていた時にはまだ先が見えなかったが、そう信じ、主に委ねた。

4.御翼の陰でなすべきこと

  • 親鳥の翼の下で、ひなにできることは何か。親鳥を信頼し、たたえること。
     私は歌い ほめ歌います。(7)
     主よ 私は国々の民の間で あなたに感謝し
     もろもろの国民の間で あなたをほめ歌います。(9)
  • ダビデは主の偉大さとめぐみ深さを思い、たたえる。竪琴の名手であった彼は、琴をかき鳴らして声高く主を讃えて歌う。洞窟の中では大声は出せなかっただろうが、彼のたましいは、大声で歌っている気持ちだっただろう。
  • 私たちも 主を信じ、委ねてほめたたえよう。