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2018年6月3日 主日礼拝
「偶像化された「契約の箱」
- ペリシテ人との戦争はしばしば起きた。4000人も戦死する大敗北を経験し、敗因を考えたイスラエル人は、戦力や戦術の問題ではなく、「どうして主は、今日、ペリシテ人の前でわれわれを打たれたのだろう。」と、神の意志の問題として考えた。その発想には信仰深さも感じられる。
- しかし、神の箱を戦場に持って来れば、神の箱が自分たちを救うだろうという結論はお粗末。自己反省を欠いており、神を利用しようともしている。
- イスラエル以外の国々の軍隊は、自分たちの神々の像(偶像)をお神輿のようにかついでくるのが通例。イスラエルのしたことはその真似であり、結局契約の箱が偶像として扱われていた。
逆効果となった神の箱の登場
- 神の箱の登場は、イスラエル人を勇気付けた。契約の箱にはモーセが神に教えられた十戒のことばが刻まれた石の板が納められている。箱の本来の役割は、神のことばを思い起こさせることにあった。しかし、イスラエルは何を思い起こしたのだろうか?
- 箱の登場はペリシテ人にも動揺を与えたが、彼らはそれで奮い立ち、勇敢に戦ったため、かえって手強くなってしまった。
呪いの預言の成就
- 以前から、祭司エリには警告としての呪いの預言が語られていた。彼の息子たちが祭司でありながら神へのささげものを私物化し、不倫も犯しと、非常に罪深かったっため、「あなたの二人の息子、ホフニとピネハスの身に降りかかることが、あなたへのしるしである。二人とも同じ日に死ぬ。」(2:34)と。
- 警告預言はサムエルによっても語られた。「その日わたしは、エリの家についてわたしが語ったことすべてを、初めから終わりまでエリに実行する。わたしは、彼の家を永遠にさばくと彼に告げる。それは息子たちが自らにのろいを招くようなことをしているのを知りながら、思いとどまらせなかった咎のためだ。」(3:12-13)。
- 聞いても悔い改めず、息子たちに祭司の務めをさせ続けた結果、息子たちは戦死し、呪いの預言は成就した。しかも契約の箱まで奪われてしまった。
栄光はイスラエルから去ったのか?
- この知らせを聞いたエリはショックで倒れ、首の骨を折って死ぬ。
- 戦死したエリの息子の嫁は、難産で死に向かいながら、「栄光はイスラエルから去った。神の箱が奪われたから。」と言い残した。彼女の失意は理解できるが、本当に栄光は去ったのだろうか?それはやはり「箱」を偶像視しているのではないだろうか。
- 話はこれで終わりではない。奪われた箱がこの後、主の偉大さを示すために用いられる。その意味では、神はわざとペリシテ人に箱を奪わせたのだ。
- 真に大切なのは、箱ではなく、みことば。神のことばは箱ではなく、心に納めよう。心に刻まれたみことばは、そう簡単には奪われない。
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