2015年3月15日 主日礼拝

創世記 20章1~18節
國分広士牧師

1.身を守るための嘘が

遊牧生活を続けるアブラハムは、砂漠地帯ネゲブに移り住む。近くの町ゲラルは、生活の必要上滞在したのだろうが、ゲラル王がサラを気に入る。アブラハムは見知らぬ土地で自分の身を守る手段として、美人の妻がいることを隠し、異母妹でもあったので、兄妹と言うことにしていた。嘘で切り抜けた危機もあったのだろうが、嘘で身を守るのは不信仰。かつてエジプトでの時と同様、王は強引にサラを召しいれ、アブラハムは妻を奪われそうになる。そうなれば、サラから生まれるという約束の子はどうなるのか?

2.神の助けで守られる

神はゲラル王アビメレクに夢で語りかけ、アブラハムの嘘を明かし、アビメレク自身のためにサラを返すよう命じた。アビメレクはアブラハムを責め、彼の本心を聞いた。それは納得いく内容ではなかったが、アビメレクは神の語りかけに従い、おだやかにサラを返し、贈り物まで与えた。

3.アブラハムの祈り

アブラハムは神に祈ったが、どんな祈りだったのだろうか。神はアブラハムを「預言者」だと言われた。預言者が神への信仰を忘れ、打算で嘘をつき、ついた嘘で自分も縛られ、きちんと祈れなくなっていた。預言者も罪人なので、気の緩みで罪の性質が露骨に表れたのだ。アブラハムはアビメレクに叱責され恥をかいたが、これは神が与えた悔い改めの機会。おそらく祈りの最初は彼自身の悔い改めであっただろう。その上で、アビメレクの家の災いの解決を求めた祈りがきかれた。主は正しい祈りへと導かれたのだ。