2015年3月8日 主日礼拝

創世記 19章15~38節
國分広士牧師

1.ためらっていた者へのあわれみ

ついにタイムリミットとなり、主の使いは妻と娘たちとで逃げよと命じたが、ロトはためらっていた。家も財産も友人も捨てることになるロトにしてみれば、それまでの自分の人生を全否定するような気持ちだったのだろう。動けないロトを主はあわれんで、強制的に町の外に連れ出してくださった。

2.自分の意志で滅びから逃れ続けるよう促した

しかし、そこからは自分の意志で逃げなくてはならない。主の使いは「いのちがけで逃げなさい」と語った。滅び行くソドムを懐かしむ者は、やはり滅びてしまうのだ。問題は体がどこにあるかよりも、心がどこにあるかなのだ。裁かれるべき罪深いものに心が捕らわれている者は、その結末をともに味わう。

3.本人が決めた目標を受け入れてくださった

御使いは「振り返ってはいけない。山に逃げなさい。」と言ったが、ロトは無理だと思い、山よりも手近にある小さな町への避難の許可を求めた。主の使いはロトが決めた目標を受け入れてくれた。しかし、振り返ったロトの妻は滅んだ。あわれみを拒む者への裁きは厳しいことを忘れてはならない。

4.滅び失せなかった

ロトは娘たちと隠遁生活を始めた。娘たちは危機感から父によって子孫を得た。この行為は罪深いが、このモアブ人からダビデ王の先祖となるルツが誕生することになる。主のあわれみは尽きない。(哀歌3:22)