2023年3月26日 主日礼拝

イザヤ書 1章15~20節
國分広士牧師

怒りを遅くする者は勇士にまさり、
自分の霊を治める者は町を攻め取る者にまさる。  箴言16:32

1.勇士にまさる

  • 勇士は敵に勝つ。しかし「怒り」に勝ことは難しい。最初の殺人(カインが弟のアベルを殺した)は、弟への怒りが原因だった。神はカインに「なぜ、あなたは怒っているのか…あなたはそれを治めなければならない。」と言われたが、カインは弟を恨み続け、計画的に弟を殺してしまった。(創世記4章)
  • 怒りを遅くすることは「自分の霊を治める」とも言い換えられている。怒りという感情に支配されず、正しいことを撰び取るということ。

2.他の箴言

  • 怒りを遅くする箴言は他にもある。
  • 怒りを遅くする者には豊かな英知がある。気の短い者は愚かさを増す。 14:29
  • 英知とは幅広い知識をもち、物事をよくわきまえていること。
    わきまえがないと、すぐに怒りをあらわし、かえって愚かさを増してしまう。
  • 激しやすい者は口論を引き起こし、怒りを遅くする者は争い事を鎮める。15:18
  • 自分も怒っていたら争いの仲裁はできない。平和を実現するには、どちらかの肩を持つのでなく、公平に両者を理解する必要がある。実際には難しい。
  • 人に賢明さがあれば、怒りを遅くする。
    その人の栄誉は、背きを見過ごすことにある。19:11
  • 不正を放置しておくと悪がはびこるのではないかと心配するが、性急なさばきは破壊につながる。   

3.怒りを遅くした方

  • 私たちは怒りやすい。怒りを遅くした模範は主イエスに学ばなければならない。
  • 主イエスは背きを見過ごした。心密かに裏切ろうとしていたユダに「あなたがしようとしていることを、すぐしなさい」と言われた。(ヨハネ13:27)
  • 三度も主イエスを知らないと言ってしまうペテロにも、そうは言わせないように強制するのではなく、「わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」(ルカ22:32)と言われた。
  • ご自分を打ちたたき、釘を突き刺す者にも抵抗せず、人には叫ばなかった。ただ父なる神に対して叫んだ。ローマ12:19-21に「自分で復讐してはいけません。神の怒りにゆだねなさい。」「悪に負けてはいけません。むしろ、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」とあるが、それは主イエスの態度。
  • 主イエスは私たちにも怒りを遅くして、自発的な悔い改めを待っていてくださる。主イエスの期待に応えよう。