2023年7月2日 主日礼拝

イザヤ書 14章12~15節
國分広士牧師

1.天から落ちた

イザヤ書13:1〜14:15は、バビロンについての宣告。14:12で「天から落ちた」ということは、落ちる前は、天のような高みにいたということ。宣告されているバビロンについてよく知らなければ意味が掴めない。バビロンについて理解を深めよう。
<バビロンについて>(新改訳2017の地図2と地図7参照)

  • バビロンは世界最古の町の一つで、メソポタミヤ全域を支配していた時代もあった。地図2は族長(アブラハムたち)の時代なので、バビロニアが広い支配地域を握っている。
  • その後、メソポタミヤ北部に位置するニネベを都としたアッシリヤが台頭し、イザヤの活動時代はアッシリヤが覇権を握っていた。バビロンはメソポタミヤ南部の強国という立場だった。南王国ユダのヒゼキヤ王の時代に、北王国イスラエルはアッシリヤに滅ぼされた。南王国ユダもアッシリヤに包囲され滅亡寸前に追い込まれたが、その時は主に守られた。(列王記第二18-19章)
  • その後、病気見舞いに来たバビロンの使者をヒゼキヤ王が歓迎した(列王記第二20章)のは、アッシリヤと敵対している点で同じ立場にあるバビロンを同盟国扱いしたということ。しかし預言者イザヤはユダ王国がバビロンに滅ぼされることを預言する(列二20:17-18)。それは200年ほど先のことなのだが。やがてアッシリヤとバビロンの立場は逆転し、バビロンが世界帝国になり、南王国ユダはバビロンに滅ぼされ、人々は捕囚となってバビロンに連れ去られてしまう(列二25:8-11)。
  • 地図7はアッシリヤ、バビロンの時代の変遷を表している。やがて自分の国を滅ぼすことになるバビロンについて、そのバビロンも結局は滅ぼされるという預言を、イザヤは語るのである。

2.神は高ぶるものを落とす

  • バビロンは「いと高き方のようになろう」と考えた。神のようになろうとしているということ。このような支配者の高慢は、バビロンだけでなく全ての支配者にある。日本は天皇を現人神として崇めた。北朝鮮は今でも金日成、金正日、金正恩を神格化している。
  • 箴言18:12 人の心の高慢は破滅に先立ち、謙遜は栄誉に先立つ。
    人間が神になろうとするのが高慢。
  • 政治的な支配者だけでなく、人は誰もが「自分の支配する領域」を持っている。あからさまに「神」とは言わなくても、自分の領域では自分が一番正しいと思い、主に謙遜に従わないなら、同じ問題を引きずっている。
  • 私たちは全能の主の前にへりくだろう。私たちに与えられた知恵や力は、神の目的を果たすためのものであり、いつでも主は取り去ることができる。主イエスのあがないで赦していただこう。